旅する料理人。五島の魅力を、料理、食材を通して広げていきたい/三上奈緒

旅する料理人をしています。三上奈緒です。

旅先にて生産者を訪問し、その場で集まった食材で料理をするのがライフワークです。 東京農業大学を卒業し、栄養士として小学校で勤務後、渡仏し料理の道へ入りました。山と湖の街アヌシー、海と太陽の眩しいプロヴァンスのレストランで修行し、 青山の「ラ・ブランシュ」、米・カリフォルニアの地産地消レストラン「ChezPanisse」を経て、愛媛や五島列島など日本各地にてポップアップレストランを開催しています。

子どもたちへの食教育として、Edible schoolyard japanのchef teacherも行っています。


便利な社会とは対照的に、人と人との関係が見えづらくなっている昨今、だからこそ、人と人とをリアルの世界でもっと近づけ、作り手と食べ手、顔の見える食卓を作りたいと考えます。それが、人やモノ、自然を大切にする心につながっていくと信じて。

初めて五島に降り立ったのは2018年の1月でした。ゴトウをゴシマと呼んでしまうほどに何も知らなかった五島ですが、なぜだか島から東京へ帰ると、人に喋らずにはいられないほどに好きになってしまったのです。それだけの魅力がありました。

美しい自然、豊かな食材、あたたかい人々、島であるのにもかかわらず、こんなにも漁業も農業も畜産も、食材の宝庫である五島には本当に驚きました。しかもどれも美味しいのです。特に魚は流れ込む海流により多品種が揃い、味も格別。

漁師の谷川さんが持ってきてくれたタチウオは今でも忘れられません。


玉之浦の夕陽を見ながら乾杯した光景も目に焼き付いています。四方を海に囲まれた豊かな自然の中で、料理ができる幸せは他にはなかなかありません。きらきら光る静かな海は、いつまででも眺めていられます。


GOTOISTとして活動するにあたり、五島の魅力を、料理、食材を通して拠点である東京でも広げていきたいと思います。前回大盛況だった東京五島ナイトを開催し、昨年の空き地レストランのように、五島で屋外レストランを開催したいと考えています。そして島内と島外の交流が生まれることが私の願いです。

私にとって料理は、素晴らしい食材を紹介する手段の一つです。料理を通して、生産者さんやその地域を紹介して行くのが私のミッションです。

地方には良い食材がたくさん眠っているけれど、地元の人々にとってはそれがとても当たり前のことが多く、それは五島もしかり、その当たり前を、料理を通して地元の人にも再発見してもらいたい、そしてその素晴らしさを島外の多くの人にも共有していければと思います。

0コメント

  • 1000 / 1000